元キャバ嬢会計事務所勤務が税金について教えます!所得税って何?編

働いたらお給料から引かれる「所得税」とは?ラウンジやキャバクラで働く女性向けの「税金について」詳しく解説!

 

今回の内容は、「元キャバ嬢会計事務所勤務が税金について教えます!所得税って何?編」。

働き始めたばかりの人は、「給料から勝手に天引きされている所得税って何?!」って驚いたのではないでしょうか?

かくいう大人になったわたくしも、未だによく分かっていません。(おいおい!)

 

今回の寄稿者はキャバクラ経験者のももさん。

会計事務所で働いていた経験から、夜のお仕事に関わる給与のことや所得税に関して、詳しく解説してくれました!

とても参考になる記事になっています!必ず見たほうがいいですよ!

 

キャバクラの税金で疑問を感じたらFAstyle

 

◆目次◆


1. ナイトワーカーは給与ではなく報酬
2. ナイトワークで引かれている所得税って??
3. 課税対象になる金額とは
 
 

元キャバ嬢会計事務所勤務が税金について教えます!所得税って何?編

納税は国民の義務です
 

キャバ嬢やラウンジ嬢などのナイトワーカーの方は確定申告はどうしていますか?

私は以前会計事務所に勤めていて、水商売の方向けの確定申告を行なっていました。

今回はナイトワーカー向けに確定申告について説明したいと思います。

 
 

1.ナイトワーカーは給与ではなく報酬

 

水商売は「給料」とみんなが言うので給与所得を受け取っているように感じますが

実はナイトワーカーで雇用契約をまいて雇用関係になっている人は男性スタッフ(黒服)だけです

女性は雇用関係ではないので「報酬」と言って厳密に言うと給与ではありません。

よく銀座のホステスさんは銀座のクラブの中で自分もお店を開いているイメージと言いますが、給与や税務的にも本当にその通りで「社員」や「従業員」ではなく、「個人事業主」と言います。


普通の会社員であれば


「特別徴収」

と言って所得税や年金や住民税が給与から天引きされていますが、


個人事業主は

「普通徴収」


と言って自分で確定申告をして市区町村から送付されてくる納税通知書によって納税しないといけません


税金が引かれないから、

水商売は税金引かれないからラッキー♪

と思っている方もいるかもしれませんが

これは脱税です。


初めてのキャバクラで面接や体験入店をする女の子で勘違いしている子が多いんで気を付けてくださいね!

ただ、雇用契約を結んでいる訳ではないので税務上では「外注費」でお店は処理していて、税務署にバレにくいのでそのまま脱税している状態の人がほとんどだと思います。

 

2.ナイトワークで引かれている所得税って??

 

所得税は、個人の所得に対してかかる税金で、1年間の全ての所得から所得控除を差し引いた残りの課税所得に税率を適用し税額を計算します。(国税庁ホームページより引用)

ナイトワークの方は、何かよくわからないけどお店に報酬から10%(以上)天引きされていることが多いですよね。

10%が「所得税」になっている場合はかなりの確率でお店が「源泉徴収」と言って、

報酬額面の10.21%(所得税10%+復興特別所得税0.21%)

を天引きし、お店は源泉徴収した所得税を翌月の10日までに納めています。

所得税は累進課税と言い、収入によって税率が変わるのですが、日本はどの企業も外注の方にはとりあえず一律で10%源泉所得する風習があるのです。

 

【所得税の速算表】(平成27年分以降)

課税される所得金額 税額 控除額
1,000円 から 1,949,000円まで 5% 0円
1,950,000円 から 3,299,000円まで 10%  97,500円
3,300,000円 から 6,949,000円まで 20%  427,500円
6,950,000円 から 8,999,000円まで  23% 636,000円
9,000,000円 から 17,999,000円まで 33% 1,536,000円
18,000,000円 から 39,999,000円まで 40% 2,796,000円
40,000,000円 以上  45% 4,796,000円
(国税庁ホームページより引用)
 

確定申告をする1月頭〜3/15日の間にお店に

源泉徴収票をください

と伝えましょう。そうすると1年間で自分が納めた所得税の紙がもらえます。

しかし、過去確定申告を担当した中で悪質なお店だと、所得税ではなく「厚生費」のような名前に変えていて、税金を天引きしているように言われていたのにお店に源泉徴収票をくださいと頼んだら、「うちは払ってないよ」と言われたナイトワーカーの方もいました。

要は「税金」と言いつつお店がナイトワーカーさんから搾取しているだけのお金です。

時給5000円であれば1時間500円もお店に何もないのに取られてるって、税金ならともかく嫌ですよね。

本当に所得税なのか、お店に取られているだけなのかで翌年に準備しないといけない税金がかなり変わるので、報酬の説明の際にちゃんと確認しましょう。

 


 

3.課税対象になる金額とは

 

勘違いしている方も多いのですが、全ての個人事業主が税金は報酬額面全てにかかるわけではありません。

個人事業主としての報酬から経費を引いた金額に対して税金がかかります。

例えばこれが八百屋さんであれば、野菜を売った売上から野菜を仕入れた金額や領収書を書くボールペンや人を雇った人件費を引いた金額など、つまり純利益にだけ税金がかかります。

先程、所得税は累進課税で所得によって税率が変わると書きましたが、この税率は純利益の金額で決まります。

ナイトワーカーさんが経費にできるものは、通信費交通費接待費取引先贈答品費会議費備品・消耗品費ゴルフ・麻雀(一部)自宅家賃(20~50%以内)などです。

化粧品やヘアメイクや衣装や名刺は消耗品携帯代とインターネットは通信費お客様にプレゼントをあげたら取引先贈答品費お店に行く時や帰る時のタクシー代は交通費スタッフと打ち合わせに行ったカフェは会議費などなど、

ナイトワーカーさんでも経費にできるものはたくさんあります。

 

以下は国税庁のホームページに掲載されているものです。

 
 

No.2807 ホステス等に支払う報酬・料金(令和2年4月1日現在法令等)

 

ホステス等に報酬・料金を支払うときは、所得税及び復興特別所得税を源泉徴収しなければなりません。

ただし、その内容が給与等又は退職手当等に該当するものについては、それぞれ給与所得又は退職所得として源泉徴収を行います。

 
1 源泉徴収の範囲

ホステス等に支払う報酬・料金として、所得税及び復興特別所得税を源泉徴収しなければならない場合は、次に該当する場合となります。

(1) バーやキャバレーの経営者が、そこで働くホステスなどに報酬・料金を支払う場合

(2) いわゆるバンケットホステス・コンパニオン等をホテル、旅館その他飲食をする場所に派遣して接待等の役務の提供を行わせることを内容とする事業を営む者が、そのバンケットホステス、コンパニオン等に報酬・料金を支払う場合

(注) このバンケットホステス・コンパニオン等とは、ホテル、旅館、飲食店その他飲食をする場所で行われるパーティー等の飲食を伴う会合において、専ら客の接待等の役務の提供を行うことを業務とする人をいいます。

 
 
2 源泉徴収の対象となる報酬・料金に含まれるもの

(1) 報奨金や衣装代

(2) 深夜帰宅するためのタクシー代

 
 
3 源泉徴収の方法

【源泉徴収すべき所得税及び復興特別所得税】の額は、
報酬・料金の額から同一人に対し1回に支払われる金額について、5千円にその報酬・料金の「計算期間の日数」を乗じて計算した金額同月中に給与等の支払がある場合には、その計算した金額からその計算期間の給与等の支給額を控除した金額を差し引いた

残額に10.21%の税率を乗じて算出します


この「計算期間の日数」とは、「営業日数」又は「出勤日数」ではなく、ホステス報酬の支払金額の計算の基礎となった期間の初日から末日までの全日数です。
(注)求めた税額に1円未満の端数があるときは、これを切り捨てます。

(例)ホステス報酬の支払金額の計算の基礎期間3月1日から3月31日(31日間)営業日数25日間、3月分の報酬75万円を支払う場合
(75万円―15万5千円)×10.21%=6万749円 
※15万5千円=5千円×31日

源泉徴収すべき所得税及び復興特別所得税の額は6万749円になります。

 
 
4 源泉徴収した所得税及び復興特別所得税を納める期限

ホステス等に支払った報酬・料金から源泉徴収した所得税及び復興特別所得税は、支払った月の翌月10日までに納めなければなりません

なお、支払者が源泉所得税の納期の特例の適用を受けている場合であっても、ホステス等に支払う報酬・料金については、納期の特例の対象とはなりませんのでご注意ください。

しかし源泉徴収されているのは経費を引かれる前の報酬です

経費は合わせてみると結構莫大な金額になるので(それだけ水商売は経費がかかっている!!)、確定申告をしていないナイトワーカーさんは所得税はかなり払っていて申告すると還付、つまり戻ってくる人がほとんどです。

月200万稼いでる人であれば、毎月10万、年120万円納税していることになりますからね。

つまり自分は無申告で脱税しているようで、実は多く払っている人もいるのです。

 
 

ちなみに経費ですが、

ウィッグやメイクは経費になるのですが

自分本体自体を変えてしまう植毛や整形

はどの税理士の先生に聞いても経費に入れることはできないそうです。気をつけましょう。

少し長くなってしまったので、また別の記事で他の税金についても解説したいと思います。

 

筆者:もも

 
キャバクラのバイト適性診断  

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編集後記
 

社会人になって初めて住民税の存在に気付くのではないでしょうか?いきなり高額の通知が来て、「なんじゃこりゃ!?」と驚いたことを鮮明に覚えています。

その後職を転々として、住民税の存在を知らないふりして納税の義務を数年間全うしておりませんでした。

すると督促状なるものが届き、延滞料などというどっかのサラ金かと思うような金額を突き付けられ、泣く泣く無駄なお金までも支払うこととなりました。。(泣)

借金から逃れるすべはありますが、税金からは絶対に逃げられません。みなさま必ず納税はしましょう。

     

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