会員制ラウンジ。様々な業界のステータスある人たちが集まる場所…。一体どんな人たちが集まっているだろうか。
今回は実際に会員制ラウンジで勤務し、現在は独立した齋藤菜月さんにインタビュー。
自身のラウンジ経験と今の仕事へのストーリーをテーマに語ってもらいました。
インタビューの前に齋藤菜月さんのプロフィールについてご紹介。
心理カウンセラーの資格を取得。渋谷のサークルに所属し、筋金入りのギャル時代を過ごす。渋谷のガールズバーに声をかけられ、水商売を始める。 20歳の頃に友達から話を聞いて西麻布の会員制ラウンジ「レトルフ」でラウンジ嬢として働くことに。2年ほどレトルフで勤務した後に「レジテッド」に移籍。
レジテッド在籍後に独立して「Bar Saito」をオープンし、西麻布「N」と西麻布「PINPON by N」をプロデュース。 現在は各メディアからの取材が絶えず、美人オーナーとして各店舗の運営に携わっている。
水商売から経営者へ。大きく環境が変わったキッカケは一体何だったのでしょうか。誰にでも気さくな彼女に「会員制ラウンジ」をテーマにインタビューしていきます。
―会員制ラウンジを始める前のプロフィールについてお伺いしてもよろしいでしょうか。
齋藤菜月:大学で心理学を専攻していました。ギャルに憧れて渋谷のギャルだった頃です(笑) 初めての水商売は渋谷のガールズバーに声をかけてもらって始めました。
―ギャルと言われると驚きますね。今の菜月さんを見ると考えられないです…。ガールズバーの経験はどうでした?
齋藤菜月:知らないことや新しいことに興味がある性格でガールズバーの経験は本当に勉強になりました。ラウンジはお酒を作らないので、お酒を覚えたのはガールズバー。私の人生にとってはすごくいい経験です。
―今のお仕事にも活きてますよね。そこから西麻布レトルフに移動したキッカケも気になります。
齋藤菜月:ちょうど私の周りでラウンジが流行しだした頃で、立ちっぱなしで仕事をしなくてもいいし、キャッチに出ることもない。それで給料もガールズバーより良いって聞いたからですね。実際に働いてみて給料も倍に増えたから、レトルフは本当に楽しいし素敵な場所だと思っていました。当時に出来た友達は今も関係が続いていて、本当に毎日が楽しかった。
―なるほど。ガールズバーの女の子と面談するとよく聞く理由です。意外とキッカケはよくある理由だったんですね。給料はもちろん増えますし、経済的に余裕ができると人生も充実しますし。
齋藤菜月:そうなんです。確かにラウンジに移ってからは好きなものも買えるし毎日が充実して楽しかった。でも、貯金が趣味で貯金ペースが2倍に増えたからその楽しみの方が大きかったです。
―水商売の女の子は金銭感覚が変わるケースが多いので貯金が趣味と聞くとこれもまた驚きです。ガールズバー時代からずっと貯金をされていたんですね。
齋藤菜月:貯金が趣味になったキッカケもガールズバーです。お店の女の子が「夢がない人は貯金しよう」って言ってたんですよね。スガシカオさんが言っていたらしいんですけど、当時の私は将来やりたいことも明確に決まっていなかったから、そのときに「貯金をしよう!」と心に決めたんです(笑)
―ライトなキッカケでそこまでストイックに生きるってすごい…。ギャル時代を過ごし、ガールズバーからラウンジに移ったお話。貯金が好きな普通の女の子。ここからどう変わっていくのでしょうか。今回のメインになる話が楽しみになってきました!
齋藤菜月:レトルフで働いていた当時、「いま一番流行ってるラウンジはレジテッドらしいよ」って友達から聞いて。気になったのでFAstyleの加々見さんにTwitterでDMを送ってレジテッドのお話を聞きに行きました。結果的にはレジテッドに移ったんですけど、その頃には漠然とした焦りがあって…。「やりたいことを確立しなきゃ」って焦ってました。そうして働いているうちにレジテッドのお客さんたちに感化されて独立を心に決めたんです。独立を決めたとは誰にも言わずに心の中で決めた話なんですけど。
―誰にも言わなかったんですね。言った方が応援してもらえそうですが…。内密にお客さんから仕事の話を振ってもらったというわけではなく?
齋藤菜月:仕事が出来る人たちを目の前で見てて「仕事が出来る人たちってこんなにかっこいいんだ。私もいつかそこに混ざりたい!」って思ったんですよね。レジテッドのお客さんをリスペクトして楽しみを感じたからこそ私を認めさせたかったんです。周りやお客さんに言ったら支援してくれたかもしれないけど、自分のことを仕事で認めてもらいたかったから力を借りずに自分で始めたかった。
―素晴らしいです。大企業の社長や有名企業の役員まで様々な業種の方がラウンジには来られます。その中でもレジテッドは客層もズバ抜けて良いという評判ですからね。
齋藤菜月:レジテッドの経験のおかげで今のBar Saitoがあります。仕事を創ることの大変さがわかって、支えてくれたマネージャーの皆さんには感謝しています。レジはいい環境だったなと今でも思う。
―レジテッドが本当に好きだったんだなというのが伝わってきます。逆に大変なことはなかったんですか?
齋藤菜月:あるある!多感な時期だから指名被りで席につけなくてお客さんに怒られて泣いてたこともあった(笑) 厳しいお客さんもいれば新しい女の子もどんどん入ってくる。何度も自信を失くしてました。それでも刺激をくれるカッコいい人たちに私を認めさせたいからめげずに頑張った。見た目や声も変えてみたり、いろいろなことを試行錯誤して”齋藤菜月”というアイデンティティを確立して…。今では人としての個性が出せたので、誰に対してもまっすぐ向き合うことを続けて本当に良かったと思ってます。
―ラウンジは漠然と働くならラクに働けますが、仕事として本気で稼ごうと思うと大変です。営業マンと何ら変わらない。独立後は仕事の目線は変わりましたか?
齋藤菜月:そうですね。独立して4年経ちましたが未だに店舗運営は大変だって思います。誰かがやってくれるわけもないから、どれだけ大変でも自分がやるしかない。その度に私は支えられていたんだなって感謝してます。最初の頃は仕事終わりにレジテッドに遊びに行ったりしてたけど、そのうち仕事が回せなくなってきて区切りをつけて本腰を入れました。自分で仕事を創るって未だに大変だなってつくづく思います。でも、夢を叶えたことに胸を張りたいから責任を持って仕事に向き合っています。
―なるほど、メリハリある考え方ですね。独立に向けてラウンジで得たことはありますか。
齋藤菜月:まずは趣味だった貯金が開業資金のための貯金になったこと。レジテッドが稼げていたので月20〜30万円は必ず貯金していました。ガールズバーでお酒の作り方を学んで、ラウンジではコミュニケーション能力を学びました。稼げて愛想が良くて喋れたらどこにでも通用するから、コミュニケーション能力が身についたのは本当に今でも役立ってます。
―独立を考えている、夢見ている女性も少なくはないと思います。そんな女の子たちへ菜月さんからアドバイスをお願いします。
齋藤菜月:いつまでに行動するという目標を決めること。私は5年ごとに目標を掲げて目標を叶えてきました。あとはタイミングってありますよね。必ずチャンスがやってくるタイミングがあります。だからチャンスが多い環境に身を置くのも大切だと思う。私にとってその環境がレジテッドだった。
―ラウンジで働くことをチャンスと捉えるのは面白いですね。大多数の女の子が稼げる仕事として働いていますから。
齋藤菜月:もちろん漠然とラウンジで働くことも全然有りだと思います。たくさん友達は増えるし、お客さんは可愛いって褒めてくれるし、美味しいご飯にだって連れて行ってもらえる。知らないことだらけの世界を知って稼げるから純粋に楽しいと思います。でも、刺激的な出会いが多い環境だから何があるかわからない。刺激的な出会いにはチャレンジしたほうが良い。気に入ってもらえるのか、喋れるのか、楽しませることが出来るのかって。そうしてチャレンジするうちにお客さんたちとつながりを持つことが出来ました。人脈もそうだけど自分がそうなりたいって目標が見えたことが何よりよかった。そういう多方面にチャンスがある環境がラウンジだと思います。その環境で認めてもらえたからこそ今のお仕事のお話はいただけたと思います。
―レジテッドから羽ばたいた女性のお話は本当に面白いです。夢を掴み取る姿勢、その真っ直ぐさが伝わりました。そんな菜月さんの展開する事業について教えてほしいです。
菜月さんがラウンジ貯金で独立したお店。最初に出店したワインバーです。彼女自身が大のワイン好きなのでワインの品揃えはさすが。本人も自分が飲みたいからお店をつくったと笑っているほど。奥渋という土地で美味いワインを楽しみたい方にはオススメ。
菜月さんがプロデュースしたバー。菜月さんいわくレジテッドので出会った人脈とギャル時代の人脈があってオープンし、今では西麻布で大成功したバーとして有名になりました。菜月さんが「人との繋がりを一番大切にするべきだとあらためて思った」と語るお店です。
「N」をプロデュース後、系列店としてオープンさせた『PINPON by「N」』。Nはオープンから大盛況で今では西麻布で飲み歩く人なら知っているバーとなりました。そして2店舗目はアミューズメントバー「ピンポン」を出店。西麻布で卓球が出来るバーは今までなかったのでオープンから話題になりました。
―今日は色々なお話をありがとうございました。最後に次の目標を教えてください。
齋藤菜月:私自身ワインが大好きなのでワインショップを始めたいです。次の5年計画がワインショップをオープンさせることなので、目標に向けて行動していこうと思います。
―ありがとうございました。
※本人写真は本人の許可を得て東京カレンダー様より引用しています。